禊のような歯ブラシを終わらせ、台所へ向かう。 昨夜の憂いを残したウイスキーグラスの匂いに胸を少し詰まらせながら、 乾燥機から洗濯物を取り出し忘れていることを確認する。 そしてそのまま蓋を閉じる。(見なかったことにするのだ、決死の思いで布団を後…
こちらロンドン、17時。快晴。 シチリアのような黄色い太陽も、 貴方のような丸い暖かさもまだないが、 確かに陽の光は長く射し、 人類の不安はどこ吹く風、 静かにしかしながら確実に春を迎え、 夏への歓びを迎え入れようとしている。 もう数える事も諦めた…
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