2023-01-01から1年間の記事一覧

30歳

小さいことに気が付かないで自分が楽でいることで、その小さなことに気が付いてしまう人が悲しい思いをするのならば、僕は辛くても良いからその小さな棘に気が付ける人でありたいなと思う。 これは僕が生きていく上で常々考えていることなのだけれど、そのく…

アルコール度数6%のエッセイ10

高見え 調子いい 向上心 あまじょっぱい 好きな人は好きだよね やってみないとわからない シングルタスク 歯の浮くセリフ ワインを語る男が発する全て 俺ですか?(2人の対話において) 切磋琢磨 余計なひと言 -日々集めている嫌いな言葉より抜粋- 飲酒量:山崎…

アルコール度数6%のエッセイ9

雨上がりのパリは好きだ。 橙色の街灯が濡れた道を照らしては滲んで排水溝に流れ込んでいる。 パリへの拒絶感もその明かりに溶けて流れてしまう気がする。 ヨソモノ扱いされていたこの街にも通い続けること5年、まだまだヨソモノながらにもそれでも少しは受…

アルコール度数6%のエッセイ8

今ここで栞を挟んで決まったらもう2度と開くことはないんだろうなと思うような本がある。これはその本がつまらないとかそういうことではなくて、読み手である僕の問題なのだろう。そんな本を片手に、ぞんざいにページを捲りながらフラットアイロンのステーキ…

英国退屈日記『Q&A』

ロンドンにも初夏のような季節がやっと訪れて、 風に揺れる木々の影や、 自分の背丈ほどあるカバンを引きずって歩く子供、 このままでは液体になってしまうのでは無いかと思うほどの脱力感で日に当たる猫など、 目に入る物が全て美しく見える とてもいい季節…

雑多な手記として

良い映画を観た後のような清々しい朝日を浴びたミラノのチェントラーレ駅の前で、まだ僕は眠い目をしている。 いろんなところへ行けて良いねとよく言われるのだが、基本的に自分のベッドに居る時間をいかに確保出来るかが人生の宿命のような生活を送っている…

アルコール度数6%のエッセイ7

料理家の土井善晴さんが好きだ。 彼は一汁一菜を提唱していて、 日々のご飯はご馳走でなくて良い。 具沢山のお味噌汁に1つおかずがあればそれでいいと言う。 おかずも時間が無ければお漬け物だって良いそうだ。 お米も食べる分だけ炊く。 手間を掛けなくて…

英国退屈日記『オイスターカード』

全くもって嫌になる、この手際の悪いことよ! 絶望的な要領の悪さである。 仮に人類を神が創ったのだとしたら、 これは正に欠陥工事である。 何に憤っているかというと、 欧米人の改札前での所業についてである。 日本で言うところのスイカ的なものがこちら…

アルコール度数6%のエッセイ6

“ほんの少し気合を入れて、鳥肌立ちそうな言葉を吐くって大切なのよ。そういう言葉が人付き合いを円滑にしていくの。” 今読んでいる本でそんなことが書いてあった。 この気合を持ち合わせていなかったが故に、 僕は一体どれほどのものを失って腐らせてきたの…

独善的な祈り、受動的な生死について

故人を思い出す時、天国にいる彼らの上には花が降るらしい。 仏壇のりんを鳴らす時、その音は彼らに聞こえているらしい。 全く独善的な考えだと思う。 もし天国に時間という概念があって、 深夜2時頃に顔の上に花が降ってきたり、 りんが鳴っては堪ったもの…

割愛

今年の書き初めは"割愛"にした。 思ったより4割くらいか細い字で、 左に斜行してしまった。 決意と呼ぶには程遠い字であった。 僕は割愛という言葉が好きで、 元来、惜しみながらも思い切って捨てるという意味だ。 なぜこの字にしたかというと、 昨年が蓄え…