The long and country road

1年のうちで2回ある、最も多忙な時期を今過ごしている。僕にしては寝食を惜しんで仕事に勤しんでいる方だと思う。嘲笑われているのか、歓迎されているのかわからないが、ロンドンには、早すぎる春が訪れている。記録を始めてから、最も暑い2月になっているら…

お茶しようぜ

"お茶しようぜ" 2017年から2018年にかけて、 おそらく最も発した言葉だ。 僕には沢山のティーフレンドがいる。 酒の場よりも、より慎重に、丁寧に、緻密に きちんと発する言葉を選んで、 やり取りが出来る為、僕は人をよくお茶に誘う。 とりわけその中でも、…

パリ退屈日記

この日記はしっかり書きたいと思う。 当時大学四年生であった僕は、第一志望の最終面接を受けるべく、 前日の夜から大阪に向かっていた。 着いた途端に具合が悪くなった。 理由は明快で、大阪が合わないのだ。 もちろん面接への緊張があったことは認める。 …

アムステルダム退屈日記

ノラジョーンズやキャットパワーが似合う街だったように思う。 機内から望む夕日のせいか。 実質1日しか滞在しなかった アムステルダムであるが、 何故か哀愁を感じずにはいられなかった。 当時勤めていた花屋の店長の兄が アムステルダムに住んでいると 聞…

ベルリン退屈日記

只今、ベルリン上空、 アムステルダムに向かっているところだ。 両耳にはめたイヤホンからは 美空のひばりの姉さんの 『人生一路』が流れている。 一度決めたら、2度とは変えぬ、と来たもんだ。 3泊4日、実働2日のベルリンを 終えた感想としては、 『ベルリ…

ロンドニアム ダブルベッド

一体、一生のうちに何個のベットに寝るのだろう。思い返してみれば、中学に上がる際に祖父に買ってもらったシングルベッドに皮切りに、クッションがたくさん置いてあるベッドや、下に収納の付いているベッド、製造過程で不備があったとしか思えないような底…

英国退屈日記:新聞

"こと未だ成らず小心翼々こと将にならんとす大胆不敵"何かを始めるときは周到に調べ上げ、大成しても油断することなかれといった意味の西郷隆盛の言葉だ。見切発車を1番の得意技としている僕としては耳の痛い言葉である。会津藩擁する福島県民としては、左翼…

英国退屈日記:流し

露店で拵えた様なキャスケットに、 視力を矯正する為だけに掛けている眼鏡。 昼間からはしご酒。 吉田類の酒場放浪記だ。 お馴染みのあの曲は The KlezmorimのEgyptian Fantasy 邦名は"エジプトの幻想"という。 妙な組み合わせであるが、これが何故かしっく…

レペゼンニッポンジン

こちらの隠語で"Black Sheep"というものがある。直訳では黒い羊だが、”厄介者・面汚し"という意味で用いられる。ご存知の通り羊の毛は白いのが一般的である。黒い羊毛は染めようがないし、使い道がない。高値で売れない。ただ餌を浪費するだけの存在なわけだ…

英国退屈日記:花其の二

"色は匂へど 散りぬるを"美しく香る花もいつかは散る、ご存知の通り、諸行無常を表すいろは歌の始めの句だ。僕は花は枯れた時が1番美しいと感じる。僕らが高校生の頃に流行ったスリーピースバンドも歌っていたように、無機質な造花は何も力を持たない。ただ…

英国退屈日記:花

打った覚えの無い右肘が妙に痛む。"貴方が噛んだ小指が痛い"のならば理解出来るが、これに関しては全く身に覚えが無い為、やや戸惑いながら、この日記を書いている。ここのところ、この日記以外にも、少しだけまとまった文を打つことが多く、なかなか日記を…

英国退屈日記:写真

"写真は過去しか撮れない、シャッターを押した瞬間にそれは過去になるからだ" 誰の言葉だったか忘れたし、 このような言い回しであったかすら いまいち自信がない。 数人だけれど、写真家の友人知人がいる。 この時代、誰でも簡単に写真が撮れ、 職業写真家…

英国退屈日記:正月

真っさらなものを何かで埋めなくては 気が済まない彼等によって吹き付けられた、 落書きと呼ぶには少々手が込み過ぎていて、 アートには程遠いそれらが壁の全てを占める、 工場地帯の隙間から 花火をみた。 これが僕の2019年の始まりであった。 そこから15分…

道のり 時間 距離

誰がなんと言おうと、2018年というこの年は四半世紀の僕の人生の中での分岐点であったし、凡庸な言い方ではあるが辛い1年であった。僕は器用貧乏であるが故に、挫折という物とは縁の無い人生であった。六割位の力で物事に当たればだいたいは上手くいく。しか…

英国退屈日記:万国共通

両耳に嵌めたイヤホンからはアンディウィリアムスのAlmost Thereが流れている。ボクシングデーのセール商戦を病み真っ只中の身体で戦い抜き、ボンドストリート駅の階段を下り、ディストリクトラインに向かっていた。小サビでアンディがいよいよパラダイスを…

アブラマシマシ

鼻水が止まらない。身体から全ての水分が無くなっても尚、この鼻水は止まらないのでは無いだろうか。ニュージーランドで発生するメタンガスの約半割りを羊のげっぷが占めるらしいが、人間から出る鼻水も負けず劣らずの勢いで石油の消費量を占めているのでは…

英国退屈日記:性格

只今こちらは夕方の6時半。クリスマスイブということもあり、街中は人ごみでごった返し、幼稚園児の団体行動の様な有様である。そんな中僕はというと、サウジアラビア人のマハメッドとアハメッドに連れられ遅めの昼食にイエメン料理を取った。アラブ料理と一…

英国退屈日記:クリスマス

小学4年生の頃であっただろうか。 その日父はオレンジのポロシャツを着ていた。 僕の父はオレンジ色に目がない。 その夜、庭に面したドアからサンタクロースが プレゼントを持ってやってきた。 目が痛くなる程赤い衣装にシミひとつ無い白い髭を蓄えたサンタ…

乾麺のススメ

友人とブログについて話している際に、 不意に「ペヤングの作り方書いてよ」と言われた。 うまく寝付けなかった夜だったので書いてみることにした。 その友人と合作で作っていたのだが、 説明書きに何故か突如、ワタナベ君とさよ子が現れる。 支離滅裂な内容…

英国退屈日記:ウィスキー

「ハッピー ラッキー ウィスキー」 大きく口をあけてもう一度。 「ハッピー ラッキー ウィスキー」 反吐が出るほど嫌いな百貨店の研修で 必ずやらされる笑顔の作り方である。 今日の題は笑顔でもなく、百貨店でもなく、ウィスキーについてだ。 何故か僕は蒸…

英国退屈日記:拘り

Tシャツはポロの白無地。 靴下はブルックスブラザースのこれまた白無地。 歯ブラシは、かなやブラシの馬毛。 整髪料は大島椿。 香水はLELABOのGAIAC。 トラウザーズはダブルの巾4.5センチ仕上げ。 他にももっとあるが、これらは僕の拘りだ。 書いていて嫌に…

人相、易断本

”こんな易なんてもので人の運勢なんてわかる訳が無い。” 寅さんの言葉だ。 大いに賛成である。 ただ最近思うのだが、人生には大きな流れというものがあって それには抗えないのである。 出来る事と言えば、来たる激流に耐え得るべく、苦し紛れの息継ぎくらい…

英国退屈日記:エピソード

一体、いつになったら止むのか。 こちらの人間は6月の雨の如くひたすらに話している。 特にスペイン人のそれはひどい。 梅雨どころでは無い、台風24号辺りの大型の暴風雨だ。 何を話しているのか聞く方が野暮である。 内容はなんでも良いのだ.。 ヨーロッパ…

英国退屈日記:朝食

こちらに来てからというもの、僕の朝食といえば、決まってクロワッサンとホットラテ。ホルボーン駅にあるチェーン店で買うと決めている。ラテなんかは既にミルクがカップに入れてある状態で常時4つは待機しており、それに10秒でドリップされるエスプレッソを…

愛をあるだけ、すべて

恐らく携帯で見ている人が多いだろう。 僕はパソコンで書いているので、携帯とでは反映のされ方が異なるらしく 読み辛い文章になってしまっている。要検討。 ところで僕の好きな言葉に「割愛」というものがある。 意味としては”惜しいと思いながら、捨てたり…

英国退屈日記;自己紹介

伊丹十三。怒れる老人。 僕の好きなものに、怒れる老人というものがある。 例えば、柳宗理、岡本太郎、コルヴィジェなんかである。 何かを為し得た後も、怒りのエネルギーが枯れない彼らの情熱を’老害’と一蹴してしまう事は出来ないだろう。 アイリーングレ…