アブラマシマシ

鼻水が止まらない。

身体から全ての水分が

無くなっても尚、

この鼻水は止まらないのでは無いだろうか。

ニュージーランドで発生する

メタンガスの約半割りを

羊のげっぷが占めるらしいが、

人間から出る鼻水も

負けず劣らずの勢いで

石油の消費量を占めているのではないかと、すら思えてくる。

テッシュがどれだけあっても

足りる事は無い。

風邪引けばアラブが儲かる

である。


羊の話をもう1つ。

彼等が毛を刈られた後

どうなるか存じているだろうか。

自分の身体を倍にも膨れ上がられる程の毛を刈られては寒くてどうのしようもないのでは無いかと、寝る前に気になって調べた事がある。


別に羊の数を数えていた訳ではない。


冬に毛を刈られる羊達は、

数日で皮下脂肪が2倍になるそうだ。

僕にもこの機能があれば、

今頃鼻を垂らしながら、

ブログに勤しむ必要がなかっただろうに。


先日居候先の老紳士(名をキースと言う、今後もしばしば登場する為覚えておいて頂きたい)と話している時に、

彼が最近は便利になり過ぎて、

逆に不便だと言った。

彼は元々BBCニュースの

ブロードキャスター

長年勤めていたのだが、

現在は引退し、フリーで

演技や発声の指導をしている。

僕も彼の意見には同感で、

能動的に全てを調べられるが故に、自分の興味のない事が入ってこないのである。

オンラインニュースでは

自分が閲覧した記事に沿って

見出しがカスタムされる為、

極めて狭い範囲での情報となる。

新聞ではそうはいかない事は

言わずもがなであろう。

音楽等もそうで、

ラジオではチャンネルによって

ある程度のカテゴライズはされているものの、自ら手紙を出さない限り、能動的にDJによって音楽が掛けられる。


これがYouTubeではそうはいかない。

やはりユーザーの嗜好に合わせて次の曲が決まり、

且つ、アーティストがお金を払えばほぼ強制的にそのプレイリストに自分の曲が組み込まれる為、僕らは何度も何度も同じ曲を聴く羽目になる。


ネット上ではなんでも調べられるが、何も調べられないのだ。


狭く浅い情報が無数に転がっており、ただそれだけである。


ただし、キースを始めとする

僕らよりも前に生まれた人達が長い時間を割いて調べた事が、

今はものの5分で調べ終わることも事実だ。


キースが僕と同様、

寝る前に羊の毛を刈られた後の事を調べようとすれば、

パジャマを着替えて

牧場に走らなければ

ならなかっただろう。

そうしなくていい僕らの方が

圧倒的に情報量は多くて然るべきだと思う。

然し、現実はそうではない。

僕らはオンライン上に

情報を置いて来てしまい、

実際にはそれらが

頭に入っていない為、

小型の情報機器が無ければ、

何も思い出すことが出来ないのだ。


すぐに情報が手に入るからこそ、受動的にもたらされる情報に興味を持ちたいと思う。


毛を刈られた後の羊の様に、

自らに蓄えて行くべきなのだ。



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“Time and Tide wait for no man.”


キースとの会話より