道のり 時間 距離

誰がなんと言おうと、

2018年というこの年は

四半世紀の僕の人生の中での

分岐点であったし、

凡庸な言い方ではあるが

辛い1年であった。

僕は器用貧乏であるが故に、

挫折という物とは

縁の無い人生であった。

六割位の力で物事に当たれば

だいたいは上手くいく。

しかし今年ばかりはそうでは無かった。

過信と言うべき自信は

跡形も無く消え去ったし、

諦念に近い心持ちにもなった。

仕事で言えば、目標にしていた物を

半年程で達成は出来たし、

未成年の頃からずっと心残りにしていた

日本を出る、という事も出来た。

しかし僕が言いたい事はそうでは無くて、

もっとこう、、、根底の部分である。


僕が僕である意義だったり、

そう言った部類の話だ。


僕が好きな本の1つに

森絵都著のカラフルという物がある。

粗筋としては、いじめを受けて、

自殺をした主人公が

気まぐれな天使に指名されて、

もう一度違う人物に成り代わって、

人生をやり直すという物だ。


この中に、この様な言葉がある。

"永遠に続くものはないって言うけど、

僕は1つだけそれを知っている。

それは死だ。死だけは変わることが無い絶対的な事項である。"

永久機関という物に、ある概念を含んでもいいならば、死こそが永久機関である、という事だ。


勿論僕は死んではいないし、

その予定も後60年余はないと思っている。


そういう概念的死という意味で、

今まで僕が僕である意義という物が、

ある種の終わりを迎えた様な感覚なのである。

前にも述べたが、

これも一種の拘りみたいなもので、

犬の餌にもならないような陳腐なものであるのだが。


会社という集団を抜けて、

これから自分で全て背負うという

タイミングに今僕は立っているが、

そうなるとより集団の中の一人である事を

意識さぜる終えないのである。

この事を僕はたった今の今、

つい最近に知ることになったのだが、

もっと早くに自覚するべきだったと

とても後悔をしている。


前に働いていた職場の上司に、

来世生まれ変わったら何になりたいかと

訪ねたことがある。

彼は何処かのサッカーチームの

サポーターになりたいと言った。

この時僕は弱冠二十歳程であったが為に、

彼の言葉が何を意味しているのか、

全く理解が出来なかった。

しかし今なら少しは理解できる気がする。

所詮人間なんてものは

自分の為に精進する事なんて

出来ないのである。

出来たとしても頭打ちであろう。

誰かの為に努めてこそ、

人間が人間である意義があるし、

僕が僕である意義である気がしている。


金八先生もそう言っていたであろう。

しかし実はこれは間違いで、

人という字は象形文字から派生している為

寄り添って生きて行く等という意味はない。

そんな事を言いだすとキリが無いので、

別に構わないのだが、

要するに、何かの為に努めてみたいと

思った一年であったという事だ。

2018年はそれを模索して

結局の所見つけられなかった1年であった。


晦日が終わり、新年を迎えたからと言って

何かが変わるわけでは無い。

そんな風に期待する方がおかしい。

然し乍ら、大きな流れの中で、

1つ息継ぎをするにはいい機会であるし、

今一度見つめ直す絶好のタイミングである。


結果と手段という物を

しばしば混同しがちであるが、

何が欲しい結果であって、

そのための手段が何かを

考え直したいと思う。

渡英した事も手段であって、

結果では無いのだ。


話は変わるが、年の瀬になると僕は毎年、

尾崎紀世彦"また逢う日まで"

を聴くという習慣がある。

その流れで"さよならをもう一度"に入るのだが、これ以上にいい組み合わせの年の瀬ソングを僕は知らない。



最後にもう1つ。

こちらに来てから痛烈に思うのだが、

人との関係性を継続していく中で、

時間や距離なんて物は

全くもって意味を成さない。

そんな物理的な物に左右される様なものは、

鼻から無かったものと同じである。

僕には高校時代からの親友がいるのだが、

彼とは別に普段から連絡は取り合わないが、

いざ会った際には昨日会ったばかりの様な

心持ちで話すことが出来る。

そういうことである。



来年の抱負はと訊かれれば、

そんなものは僕には無い。

確かに得たい結果の為に、

取りたい手段はいくつかあるが、

あくまでそれは手段であって、

それ以上でも以下でも無い。


ただ、健康には気をつけたいと思う。

元よりさして身体が丈夫な方では無い為、

床に伏す様なことだけは避けたい。



恐らくこれが今年最後の日記になる。

それでは皆さん良いお年を。

僕は死にましぇーーん!


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"ふたりでドアを閉めて

ふたりで名前消して

その時心は何かを話すだろう"


また逢う日まで尾崎紀世彦