英国退屈日記:新聞


"こと未だ成らず小心翼々
こと将にならんとす大胆不敵"

何かを始めるときは周到に調べ上げ、
大成しても油断することなかれといった意味の西郷隆盛の言葉だ。

見切発車を1番の得意技としている僕としては耳の痛い言葉である。

会津藩擁する福島県民としては、
左翼の西郷隆盛なんぞ!
と思われがちであるが、
あくまでそれは会津界隈の人間だけであって、中通り(僕が生まれた地域を指す)、いわきの人間からすると全くどうでも良い話である。
僕が学生時代に習ったメダカすら住めない水溜りの様に浅い日本史によると、会津を除いて他の福島県民は反幕府側だったと言われている。

導入が長い文章ほど面白くないものはないので、このくらいにしておくが、今日は新聞についての退屈だ。

はやりこちらの新聞にも、右左翼がある。
新聞は主にタブロイド、ブロードシーツの2種類に分かれていて、これらの定義は用いる紙のサイズで分類されている。
タブロイド紙では、サンやミラー、メトロが代表的で、ブロードシーツでは、ガーディアンあたりが大手である。
サンとガーディアンは左翼、メトロが中立、
ミラーとが右翼である。
日本の週刊誌(こちらではガータープレスと呼ぶ)と同様、
基本的には左翼側の新聞は
ゴシップ系のネタも取り上げるため、
基本的には街中で読んでいる人は見かけない。
日本だと喫茶店なんかでは、
3日に5回くらいの頻度で着ているであろう
褪せた色のセーターを着た中年男性は
大体週刊誌を読んでいるものだが、
こちらイギリスでは未だに階級社会があるために見かけないのだ。
育ちや家柄、話す言葉はもちろん、
どの紙面を脇に抱えているかでも
階級を判断されてしまうためだ。
僕らがイメージするイギリスの、
田園都市的思想に基づいた生活は、
あくまで中間上流階級以上の話であって、
数パーセントしかいないだろう。
話を聞く人聞く人、階級制度なんて
ナンセンスだという。
しかし今だにそれから脱却できず、
根強く残ってしまっている為、
古豪の国に留まっているのだ。
もちろんそのおかげで、
ネクタイはウィンザーノットだとか、
靴は黒のオックスフォードキャップトウだとか、ウォッチポケットが付いたサイドベンツのジャケットだとか"ポッシュ"で"洗練"された拘り(皮肉と尊敬を込めて)が生まれている。
一方で我らがトレインスポッティングに象徴されるような下級層の文化や、パンクやモッズが生まれているのも事実である。
ただ、パリなんかに比べると
どこか垢抜けない感じがするのは
この階級社会の影響があるのではないかと感じている。


せっかく右左の話になったので、
道路の話をしようと思う。
イギリスは日本と同様左車線の国だが、
キースはこれを”collect way(正しい道)”と呼ぶ。
右車線の国々に対しての皮肉を込めて
そう呼んでいるのだが、
遡ること"まだ道に左右の区別がなかった世紀"(キースもいつだかは知らないらしい)、
もう既に人々は道の左を歩いていたらしい。
その時代の交通手段は馬であり、
騎士は常に武器を備えている。
左に鞘があり、右手で剣を振る。
もし道で敵に出くわした際、
自分の左側にいる相手には
剣が届かなくなってしまうのだ。
その為自然と人々は道の左側を歩くようになったそうだ。


上手いまとめが思いつかないなんて、
考えること5分。
あくまで日記であるのだから、
そんなものは必要ないのだ。


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“話すコトバはとってもポジティヴ
思う脳ミソホントはネガティヴ
バカなヤングはとってもアクティヴ
それを横目で舌打ちひとつ"