アムステルダム退屈日記

ノラジョーンズやキャットパワーが似合う街だったように思う。

機内から望む夕日のせいか。

 

実質1日しか滞在しなかった

アムステルダムであるが、

何故か哀愁を感じずにはいられなかった。

当時勤めていた花屋の店長の兄が

アムステルダムに住んでいると

聞いた位にしか僕の人生で関わりのない街で

あるはずなのに。

基本的にノスタルジックに浸る事を

好む傾向にあるので、

きっとそのせいであろう。

 

ただ、アムステルダムに住みたい

なんて思っていた事もあったのは事実で、

実際に赴いてみて、

そうは思えなかった事に

少し悲しんでいるのかもしれない。

クラスでそこそこに仲の良かった友人が

転校していく感覚に似ているなと思う。

僕の生活に何も影響は与えないが、

でも確かに僕の下から何か決定的なものが

除外されたのだ。

 

アムステルダムでの目的は

テキスタイルミュージアムに行く事だった。

ここには織機や研究所が併設されており、

実際に生地を生産している。

オランダの繊維業は日本同様に、

縮小に向かっており、

潰れた工場の職人たちを再雇用している。

日本に優る技術は正直全くなかったが、

それでも色、柄の表現、展示方法など

アウトルックの面では非常に参考になった。

 

昨日の午後にアムステルダム入り、

駒込六義園ほどの大きさ(感覚的に)の街を散策した。立ち寄った国立美術館では、

色、タッチ共に力強い作品を観た。

あまり僕の好みではなかった為、

作家の名前も覚えていない。

 

オランダにどんな料理があるかも

よくわかっていなかったので、

宿場近くのレストランで

適当に済ませた。

昼過ぎのまるい空気感のある街が、

夜になると大麻が合法であるせいか、

ぬるい空気感に微妙に変化する。

どちらにせよ、

確信的なものに欠ける雰囲気だった。

 

そして今僕はパリに向かっている。

今回の出張的な旅行、旅行的な出張の

最大の目的地である。

あまり得意な街ではないが、

僕の仕事、そして僕自身にとって

大きなものの1つが動き出したり、

或いは絶対的に取り返せないものに

何かが変わって行く様な気がしている。

 

パリでは友人の実家に泊めてもらうのだが、

彼女は今ロンドンにいる為、

彼女の父が出迎えてくれる手筈になっている。

しっかり言えるだろうか、

"コモタレブゥ~"

 

 

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"思い違いは空の彼方  さよならだけの人生か

ほんの少しの未来は  見えたのにさよならなんだ

例えば緩い幸せが  だらっと続いたとする

きっと悪い種が芽を出して  さよならなんだ"

 

 

ソラニン/ASIAN KUNG-FU GENERATION