ビタミンD欠乏症イギリス人

気候が国民性を形成する上で、

重要な要素の1つであることは

間違いないようだ。


同じ英語(イギリス人言わせれば全くの別物だそうだが)を話すアメリカ人と比べると、

イギリス人の目には輝きが乏しいのが、

一目瞭然である。(目だけに。)


アメリカは西海岸の、

オレゴン、ロサンゼルス、

サンフランシスコ、ハワイしか

訪れた事が無いのだが、

明らかにこれらに住む人々は、

ロンドンに暮らすイギリス人よりも陽気だ。ハワイアンなんかは、

潮風と太陽、ガーリックシュリンプで身体が構成されているはずだ。

悩みなんて日々の波の高さ位では無いのだろうか。

確かアメリカの学力テストで最下位の州はハワイであったと思う。

日本で言うところの沖縄のようなところか。


北欧に比べて、

学力テストでもイギリスは劣っているため、

それであればいくら勉学は出来ずとも、

陽気な西海岸の彼らの方が、

よっぽど良い人生のような気もする。


勿論、ロンドンでも

鼻唄混じりに電車の乗り込む人々を

見かける事はあるが、

十中八九彼らは移民であろう。


友人が話していたが、

才能、実力がある人らがロンドンへ移り、

実際に音がする位バリバリに働く為、

イギリス人の立場が追いやられているのだ。

それに伴って元よりビタミンD不足で、

うつ気味の彼等が、

これもやはり実際に音を立てながら、

メリメリと凹んでいく。

これが現に今回イギリスがEUを離脱する

理由の1つになっている。


ただ、特にロンドンに住む彼等は、

移民が居なくなる、

若しくは自分達がEUの盾から、

剥がれ落ちる事で起こりうる被害を

理解している為、

仮面熟年夫婦のように、

決別出来ず、ずるずると延期、再延期になっている。

この記事を僕が30年後にもし読んだとして、

同じ様な事に僕自身がなっていないことを

切に願うばかりだ。


そんなこんなで、

本音と建前を使い分けると

言われる日本人よりも

イギリス人は建前で話すし、

かなり陰気くさい。

その反面、思慮深く親切ではあるのだが。


人との関係性で言えば、

最近しばしば考えている事があるのだが、

後輩との付き合い方だ。

幸いと言うべきかどうか分からないが、

現在僕には仕事上の後輩も部下もいない。


日本にいた頃は

後輩も部下もいた事があったが、

決まってどこの会社でも、

この関係性に頭を悩ませるのである。

部下が使えない、やる気がない、

そういった類の話だ。


しかしその反面、

後輩や部下が、先輩や上司に対して

頭を抱える事は少ない。

勿論無い訳では無いが、

大概の不満が小言がうるさいとか、

加齢臭がするや、話が長い等、

所詮その程度の話だ。(深刻なパワハラやセクハラは別としてだ。)

これは後輩が先輩に対して、

さほど期待していないからだ。


後輩としては、

ある程度仕事を教えてくれさえすれば、

困った時に助けてくれさえすれば良いのだ。

僕らが考える以上に、

彼等はしっかりしていて、

別に一人でなんでも出来るのだ。


僕らが過大な期待を抱いてしまう為、

それに応えられなった時に、

怒りも湧けば、失望もするのだ。

部下が上司に接する様に、

ある程度何も期待せずに接するべきである。

彼等はなんでも出来る反面、

僕らが彼等と同じくらいの時、

僕らは何も出来なかったはずで、

何も無いところに叱咤だけを与えれば、

残るものは不満と不安だけだ。


彼等がもし出来なかったとすれば、

こちらの教育体制に不備がある訳で、

部下に落ち度はない。

やる気のない部下、

若しくは"使えない部下"にも、

ある程度の成果を残させる様な設備、環境を整えるのが上司や会社の務めであって、

注意や説明の事務的側面を除いた、

個人的な感情での説教は今時の人間には

点で無用なのだ。

これは何もチェーン展開する様な大企業だけの話ではなく、マンパワーで営む零細企業にも通ずる話だ。

むしろ、1人でも出来ない者がいると致命傷になりうる零細企業こそ、求められる要素だと考える。


ほかに上司が出来ることとすれば、

視点を彼等のレベルまで下げて、

当たり前の事でも出来た事に対して、

過度な位に褒める事だと思う。

しゃがんでも視点がまだ上なのであれば、

地面に頬を付けてでもレベルを合わせる事。

その位置で彼等を見れられれば、

怒りなんて湧いてこないはずである。


併せて最後に言いたいことは、

社員を経費として考える会社に未来は無い。

彼等の存在は人件費ではなく、財産だ。

金を産むのは紛れもなく彼等であるし、

そこを履き違える様な社長や上司は、

まずは日光浴でもして、

ビタミンDを補ってから出社すると良い。


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"青年は自分の生きているのが人のおかげだと思うことに堪えられません。

そしてこれが青年のいいところなのであります。

恩返しは人生を賃借関係の小さな枠の中に引き戻し、押しこめて局限してしまう。

それに比して、猫的忘恩は、人生の夢と可能性の幻影を与えてくれるといえましょう。"


著:三島由紀夫不道徳教育講座』より