退屈日記


退屈である。

実に退屈である。

椿が咲き誇っては枯れていく中、

僕は退屈している。

カラスすらも春仕様の鳴き方になる中、

僕は退屈している。

君が虚像に向かって糾弾している中、

僕は退屈している。

こんなに僕は退屈しているのに、

何にそんなに怒っているのか。

こんなに光は丸みを帯びているのに、

何にそんなに怒っているのか。


僕にはよく分からない事だらけであるが、

恐らくあなたが怒っている人たちは、

あなたの想像も出来ないくらい(冥王星の裏側で何が起こっているか考込むのと同じ位きっと僕らには分からない。)、彼等は一生懸命に頑張ってくれているのだと思う。


テレビの前のオヤジが、野球中継に怒鳴るよりあなたのその怒りや嫌悪感は現代社会で影響力を持っている。

僕が退屈しているのは何も

外に出られないからでは無い。

行き場の無い不安を1番安易で、

とりわけ稚拙な方法で解消しようとしている彼らに退屈しているのだ。

火の粉が自分にかかりそうな時だけ、

他人に持たせていた重い毛布をぶんどっては、ぐるぐるに包まっている彼らに退屈しているのだ。


僕の記憶が正しければ、

数年前にリーダーを決めたのは、

確か僕たちでは無かっただろうか。

だとするならば、僕らが今すべきことは

応援する事、従う事、信じる事、である。

大事MANブラザーズバンドも歌っていたではないか。

だめになりそうな時、何が1番大事なのか、

大人の僕らは分かっているはずだ。


カリブ系イギリス人の客なんて、

僕に対してめちゃめちゃに注文を

キャンセルしておいて

『カズ、ポジティブにいなきゃだめだぜ!』

と言うのだ。

僕が頭を抱えているのはお前のせいなんだぞと言う気も失せて、むしろ愛すべき人だなと思う。僕は彼が大好きである。


パリのおばあちゃんデザイナーも、

孫に打つようなメールを僕にくれるし、

注文をくれないロンドンの先も、

お互い暇だな、とメッセージだけはくれる。

そこまで僕は暇では無いのだが。



イタリアの得意先はピリついていて、

メールも刺々しいものになっているが、

これだけの事になってしまったのだ、

仕方ないだろう。

(初めは黄色人種の病気だ!と言っていた事に目を瞑れる位の心の広さを僕は持っている。)



兎に角、少なくとも今は、

誰のことも責めるべきではないのだ。

国も、中国も、リーダーも、

買い占めるおばちゃんも、

茶の間でだけ騒ぐおじちゃんの事も、

責めるべきではない。

それでもやるせないなら、

変なものを食べてしまった

コウモリを責めよう。

もし彼らに出会す事があるならば、

洞窟を一日中照らしてやればいい。


コウモリでは無くて、僕らが今居る洞窟は、

照らさなくても先の方に光が見えている。

確実に外に繋がっている洞窟である。

こんなに退屈に耽る時間がある事なんて、

慌ただしい人生の中で、そうあるものではない。共に老後の予行練習といこうではないか。


f:id:s396man:20200419194255j:plain




生きてーとか、死にてーとか

自分のことばっか。

1人で勝手に考えた真実より

誰かと一緒に話した、

ちょっとした世間話みてぇなものの方が

本当な事の気がする。

俺達はみんなが昨日より今日がちょっとだけ

幸せだったと思えるように

そんなライブをやりに来た"


ヘッドフォンチルドレンlive ver MCより/

The Back Horn