アルコール度数6%のエッセイ4

友人の家からの帰り道、飲んだワインのせいで少し浮腫んだ足を無理やりブーツに捩じ込む。BoAバレンチノのタイトなジーンズを履く時こんな気持ちだったのだろうか?(ではない)

 


イヤホンを耳に嵌め、マルボロメンソールライトに火をつける。シャッフルで流れるiTunesからは5.6年前によく聞いていたThe Isley Brothers のDon’t Say Goodnightが聴こえてくる。少し早めに帰ったことを分かっていたかのような。

 


飲んだ帰り道のシャッフルっていつもいい働きをするなと思う。それに比べ、月曜の朝に流すシャッフル程酷いものはない。

突然流れてくるレキシに殺意を覚えるくらいだ。(無論、彼等に罪は無い)キッラキッラブッシー。

 

 

 

いつの間にかロンドンに来てから4年が過ぎていた。デニムのインチが3インチくらい上がったことくらいしか変わったことはない。(今日もリジットのデニムが苦しくてボタンを外して食事に挑んでいた。)

 


半年くらいある寒い冬を4回、それと同じだけ、とりわけ過ごし易い夏を過ごしただけである。

 


それでも飲んで帰る道は僕だけのものに感じるし、分け隔て無く世界は一人一人、或いは全ての万象の最小単位に等しく与えられているような気持ちになる。

今を中心点として、4年前の僕も、この先4年の僕も同じ歩幅で歩けているならそれだけで幸せなことだなと思う。

 

 

 

4年前の日記にも、自分は濁流の中にいて、

所詮その流れに身を任せるくらいしか出来ないのであると書いた記憶があるのだが、それは今後もずっと続くだろう。

それでも少しだけ足掻きながら、抵抗してみたり、時には諦めて身を委ねていくのだろう。

 

 

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飲酒量:白ワイン3杯と缶ビール1本