アルコール度数6%のエッセイ5

僕は本を読む時に、そこに出てくる自分が知らない曲が好きだ。

今日はローズマリールーニーという50年代のジャズ歌手ラフマニノフピアノ協奏曲第2番と出会った。

これらを掛けながらその本を読むと少し深く入り込める気がする。

かなりの偏読の為、出てくる曲の殆どはクラシックか古い古典的なジャズだ。

 

仕事部屋で飲みながら本を読んでいた。

つまんでいたチョコレートのカカオパウダーがいつの間にかTシャツに付いていて、この後床に就く前にまた冷え切ったTシャツに着替えるのかと少し嫌気が差して、読んでいた本に栞を挟む。

 

こちらはもう夜になるとマイナスの気温になっていて、外で煙草を吸うのが憚れるので、

電子タバコ(紙は煙草で、電子はタバコである)で済ませている。

吸い終わって横にあるゴミ箱に吸い殻を捨てる。

 

僕の家にはゴミ箱がリビングと仕事部屋合わせて2つある。

起きてから寝るまでの大概の時間を仕事部屋で過ごす為、仕事部屋にあるゴミ箱には僕の生活のほとんどが無造作に捨てられている。

軟水派の僕が毎日飲むヴォルビックのペットボトル、山崎やマッカランを割るためのペリエの空き瓶、生地の切れ端(仕事で生地を扱っている)から、トイレットペーパーの芯。*僕の住んでいるエリアは紙類と生ごみ以外の分別がない。

 

毎日身体を洗って垢を落とすように、

私生活の垢の全てがゴミ箱にあるとするならば、これほどプライベートな箱は無いなと思う。

自分が何を好んでいて、日々何を消費しているか一目瞭然。

アラサー独身男性のゴミ箱に誰も興味が無いのは分かっているし、漁られる心配も微塵も無いが、綺麗にしていた方がいいなと思う。

自分がストーカーに悩む端麗な美少女では無く、至って何処にでも在るアラサー独身男性で良かった。

 

もう10年も前にアルバイトをしていた花屋の店長が、物を跨いで歩くような人には成るなと言っていたが、その通りだと思う。

 

 

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飲酒量:ナチュールワインというムーブメントにかまけた滋味の無い赤ワイン2杯