メモ帳を開いてとりわけ書きたいことないくせになにかしら意味ありげなことを生み出そうとしている。
旅するバックパッカーもこんな気持ちなのかなって思ったりもする。
年に2回、日本に帰ってくるわけで、
それと同じ数だけイギリスに戻る時が来る。
いちいち寂しさを覚える。
楽しい分だけそうではないことも須く等しくあって、失ったものの分だけ責任(というと仰々しいのだがそれに似たようなものとして)を背負うことになるんだなと感じる。
冷めたお茶にも乾いたおしぼりにも用は無いはずなのにもう一度手を伸ばしてみる。
今六本木で電車を待っているわけだが、
おそらく広尾あたりに住んでいるのであろう外国人からきつめのオードトワレが香ってくる。
家の近くのフィンズベリーパークを思い出す。
おれらが日本にいる分、お前は早くイギリス戻れよって言われているような、それでいて少し既に懐かしい気分にさせる。
きっとまたイギリスに戻っても4年前と同じような生活が始まるだけで、松本伊予な気持ち(センチメンタルジャーニーの隠喩である)は案外すぐ忘れるのかもしれない。
それでも少し多めに飲んだ今日は言ってもいいんじゃないかなって思う。
帰るの少し寂しい。
“どこへ向かってるの そっちはやなんだけども
どうしようもない秒針 そっちじゃないんだけども
心開いて鍵を外して いつなの今でしょ
満たすのどうでしょう?
寂しい 寂しくて 寂しくて堪らない
だけど今は楽しい 夢中で楽しい”
TANOC/ペトロールズ