只今、ベルリン上空、
アムステルダムに向かっているところだ。
両耳にはめたイヤホンからは
美空のひばりの姉さんの
『人生一路』が流れている。
一度決めたら、2度とは変えぬ、と来たもんだ。
3泊4日、実働2日のベルリンを
終えた感想としては、
『ベルリンめっちゃ良い、、。』
であった。
仕事の要件もそこそこに、
自分には土日だしと言い聞かせ、
観光に時間を割いた。
まず着いた瞬間から、
イギリスでは感じられない雰囲気があり、
その原因は建物の外観と、
連なる店舗のフォントにあった。
ヴィクトリア様式の建物、
タイムズニューロマンに代表されるような
いかにも英国というような字体に対し、
ベルリンではヒトラー時代に
ヴィクトリア建築が取り壊され(確か。)、
簡素化されており、
味も素っ気もない建物が連なる。
フォントもヘルヴェチカと
インパクトの間のような
(きっと名前があるのだろう)、
こちらもやはり簡素な仕上がりになっていた。
完全に僕好みである。
重工業で栄えた
"いかにもドイツ"というような
重厚な煉瓦造りの建物もまだ残っているが、
一方で、バウハウスの影響を受けている
家具や照明、建物も伺うことが出来た。
機能的で、華美な装飾がなく、
柳宗理が言うところの'野球のボール(頭痛が痛いの様な響きである。)や、ピッケルの様な
機能美を備えたものが随所に見受けられるのだ。
ドイツといえばブラウン社、ディーターラムスという感覚があったのだが、本国ドイツでは全く見なかった。
おそらくこちらでも電気シェーバー位しか扱っていないのであろう。
昨日はそのバウハウスに行ったのだが、
行きの電車で今回一緒に回っている"ミカワ"が、
切符のスタンプの押し忘れで(そういうルールがあるのだ)、
60ユーロの罰金を取られた。
仕事では非常に心強い仲間なのだが、
この時のミカワは完全にビビっていた、
そして御立腹のご様子であった。
そんな彼を横目に僕はバウハウスを
しっかり楽しめた。
着いた時間もあり、
全ては回りきれなかったのだが
メインどころのクラブチェアB3や、
Marianne Brandt のランプや、
マスターズハウスは見ることが出来た。
もちろんバウハウスは文献も関連書籍も
かなりの量が出ている為、日本に居ながら
大体を把握する事は可能だが、
それよりも、黒い権力争いや、
男尊女卑的観念からの脱却など、
当時の歴史的背景をバウハウスの中からも
垣間見えた点が、足を運んだ甲斐があった点であろう。
ベルリンといえばクラブシーンも有名だが、
今回はタイミングが悪く、ベルクハインも、
トレジャーも行けずじまいで終わってしまったのが心残りである。
ドイツ料理は殆どが肉とポテト、かパスタであるが、美味かった。
日本のラガーに似ている
ピルスナー系のビールもやはり飲みやすく、物価も安いこともあり、
安心してメニューを伺えた。
感覚的にしかもちろん分からないが、
おそらく僕がロンドンの次に住むとすれば、
ベルリンな気がした。というか住みたい。
なんて言いながら、
次のアムステルダムも
素敵だったりして。
*ロンドン在住日本人が3万人に対して、
ベルリンは3700人だそうだ。
Is as little design as possible – Less, but better –
ディーターラムス良いデザインの10か条より